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著作:アーリーハッチ 著者: 社団法人 日本DIY協会認定 DIYアドバイザー 首藤浩昭 著作開始日 2003.12.16
著作掲載対象:アーリーハッチホームページ http://www.hatchan.com/subtop.htm
2003.12掲載分 2004.1掲載分 2004.2掲載分 2004.3掲載分 2004.4掲載分 2004.5掲載分(本ページ) 2004.6掲載分 2004.7掲載分 2004.8掲載分 2004.9掲載分 2004.10掲載分 2004.11掲載分 2004.12掲載分
■マグネットキャッチの取付 2004.5.1 (第138回)
「扉物」のカントリー系家具では、そのほとんどが「木片」を利用した「扉ストッパー」を採用している。見た目が素朴であるということや、機械的金物を使用しないポリシーの表れとも言えるが、何のことはない「無垢材の扉板は狂う」ため、キャッチ金物を使うと、近い将来キャッチ不能になる怖さがあるが故の言い訳である。つまり、キャッチ金物の機能的構造は、その扉板が、本体に対し完全に閉まった状態でキャッチされるというもの。そのため、扉板の両端が浮き上がるような反り(「木表」を正面にした扉に多い)が発生すると、最悪の場合キャッチ出来なくなる。そうした理由で「木片のストッパー」が好まれるわけだが、デザイン上の理由や、反りの心配がない程度の扉幅などの場合に、もっとも利用されているのが、お馴染みの「マグネットキャッチ」である。色やサイズの違いはあるが、基本的には「観音開き用」と「片開き用」の2種類に分けられる。サイズの大きいものほど、磁力が強いので、扉板の大きさに合わせ選択すること。このマグネットキャッチを選ぶ際のポイントは、「マグネット本体側金属板の迎え(遊び)の有無」である。遊びのあるものは、扉板が磁力で吸い付く際、ミリ単位でこのマグネット側の金属板が、扉を迎えに行きくっつく。木材扉の場合、この「迎え」が非常に大切になる。つまり、「迎え」の分だけ、扉の反りが許されるのだ。また、取付の際には、「扉板」対「枠材」のツライチ状態から、1〜2mm程度浮き上がる位置を基準として設置することがポイント。扉板を完全に押し付けた状態でキャッチするよりも、少し手前で収めることにより、やはり将来の変形に対処出来る。また、マグネット本体側2つの固定穴は「楕円」になっている。これにより、取付後も数ミリ間隔での移動が可能なので、浮き上がりの際に位置調整できる。そのため、最初の取付時には、平行移動が可能な位置を狙ってネジ止めするよう注意する。こうして考えてみると、木片を利用した「扉ストッパー」が、いかに確実で簡単であるかが実感されよう。
■遊び心を大切に 2004.5.2 (第139回)
自らが作り上げる感動を宿す「手作り木工」を、永く将来に渡り「趣味のひとつ」として継続していくためには、「遊び心」を持つことが大切です。木工に目覚め、制作を重ねていく際の明らかな傾向として、その内容は「実用品」へと向かいます。手作りの醍醐味には、「作業過程を楽しむ」ことと、「実用品としての使う楽しみ」という2つの大きな目的があります。この両者の「絶妙なバランス」があってこそ「趣味」として継続できるのです。つまり、実用面ばかり追い求めたり、単に「欲しい」という気持ちが勝っていると、趣味としての楽しさが半減し、長続きしなくなるものです。この「絶妙なバランス」を維持するために、もっとも有効なのが、作品制作における「遊び心」と言えます。実用目的であっても、どこかしらに、この「遊び心」を表現できれば、「バランスを崩した窮屈さ」を解消できるものです。「デザイン的」なことでも良し、「機能的」なことでも良し、プロが見れば「無駄」と思えるような遊び心を持つことが出来るかどうかで、「私は木工が趣味」と、胸をはることが出来ます。「難しいことはどうでもいいから、とにかく欲しい」というかわいそうな人は、おそらくその生い立ちにおいても、過程を評価されずに結果重視で育ったという生活環境、つまり遊びを知らない人生というものが想像されるものです。
■治具の活用 2004.5.3 (第140回)
手作り木工には「治具」が不可欠。そもそも「治具」とは、材料の切断や加工などの工程において、より効率的で正確な作業をするために、手工具や電動工具の補助として使用される道具のこと。もちろん、市販品も多々あるが、多くの手作り木工愛好家は、自分の道具や目的に合わせ、治具そのものを手作りしている。そうした「治具自慢」も、愛好家たちの楽しみのひとつにされるほどだ。「治具」といっても、複雑なものから簡素なものまで幅広い。入門系の木工誌や手作りカントリー誌等では、ほとんど紹介される機会はないようだが、手作り経験の浅い木工愛好家である読者が、「この部分はどうやって作業しているんだろう?」という疑問を持つところでは、そのほとんどが何かしらの「治具」を使用している場合が多い。「治具」そのものが、作家専用の「経験と工夫」が詰まったひとつの「作品」でもあるため、あえて公開する人も少ない。高度で正確な制作技術をようする作品ほど、治具の担う役割は大きい。つまり、「作品の難易度」と「造り手の技術」は、必ずしも比例してはおらず、難易度が高ければ高いほど、そうした治具類に頼るところが大きい。もちろん治具を考案するためには、作品制作に対するある程度の技術と経験、作業工程についての認識が不可欠であるため、治具さえあれば、どんな難しい作品でも作れるという訳ではない。昨今のビギナーを見ると、雑誌で「必要な工具」と紹介されている市販の道具や工具さえあれば確実に作れると誤解している人が多い。木工とは「創意工夫」の連続であり、そこから生み出される一つ一つの経験が、喜びを備えた「価値」となり「作品」となる。治具の役割は、まさに造り手の成長を助くる担い手であり、また成長度を表す道具でもある。明日は「治具の種類」について説明したい。
■治具の種類 2004.5.4 (第141回)
木工作業に欠かせない「治具」の必要性については昨日解説した。今日は、その種類について説明したい。実は、単なる「板材・角材」であっても治具になり得る。例えば、ジグソーや丸ノコで任意の直線をカットする場合、ラインを目で追いながら工具単体で作業すると、どうしても確実な直線は得られない。その場合に治具として利用するのが板材。クランプ固定を施し、それに工具のベース部分を沿わせながらカットしていく。これも立派な治具となる。トリマーによる溝彫りや装飾においても同様だ。これを発展させ、薄ベニヤに角材を合わせたりした治具も多い。同じ加工を連続させるテンプレートなども治具の一種と言える。本来ならノミを使用した加工も、そうしたテンプレート治具を応用し、トリマーによって加工する技法は、プロも好む作業だ。また、当店の木工教室参加者ならご存知と思うが、電動工具と合わせ使用するものばかりでなく、例えば、扉板に丁番と取り付ける際の下穴位置を決める作業においても、治具が使用される。さらには、ダボを制作する際のノコ引き用の治具もある。木工作業においての「工夫」といったものが、そうした治具に反映されており、ユニークなものがたくさん存在する。治具の工夫があってこそ、木工作業を効率化させ、同時に、作品の完成目的ばかりでない、作業工程における「工夫する楽しさ」もまた得られる。いわゆる「小道具」を持つことが、上達と充実に欠かせない。
■トリマーによる応用 2004.5.5 (第142回)
各種面取りや溝彫り、倣い加工、更には切断など、ビットを取り換えることによって、様々な加工が可能なトリマー。両手で支え作業するルーターがその原型だが、モーターが小型化され、その分落ちたパワーを回転数で補った形のこのトリマー。片手で作業出来るが故に、その応用範囲は非常に広い。なかでもおもしろい使い方のひとつに、「V字ビット」を装着しての「文字書き」や「装飾彫り」がある。まるで書道が如くに、行書体の漢字彫りをしたり、カントリーでおなじみの「麦の穂」を描いたりなど、もちろん熟練が必要な高度な技術に他ならないが、それほどに自由な加工を実現できる道具と言える。ただし、こうした加工を行うためには、操作技術に加え、あらかじめ材への下絵が必要なので、当然のこと加工者自身に「字心」や「絵心」がないと、幼稚園児のお絵かき程度になる。つまり、筆さえあれば弘法に成り得るかと言うと、そんな筈はないのである。ともかく、そうした実現性と可能性を秘めた道具であり、いかな能書きより、持っていなければ成し得ないことに変わりは無い。
■独断と偏見で選ぶ工具別メーカー 2004.5.6 (第143回)
多くの方から「電動工具はどこのメーカーのものが良いか」とのご質問をいただく。昔と違い、昨今のメーカー各社とも、その技術力・開発力の向上にはめざましいものがあり、正直甲乙付け難いのが実情。そうした中でも、「これだけは他社に負けたくない」といったポリシーが存在することも事実。つまり、そのメーカーの出身母体や、初めて作った機種が何かということにもなる。それが影響してか、各メーカーとも、機種によって力の入れ具合が明らかに異なる傾向がある。ユーザーターゲットの違いによる操作性や耐久性など、一概にその優劣は評価できないが、使用する人が「プロではないが、比較的ハードな作業をする」「趣味として行う範囲で、より精度の高い加工を望む」「メンテナンスをしながらも、長く愛用したい」、ついでに、「少々予算に余裕がある」といった条件を当てはめ、あくまで偏屈を自称する、私個人の「独断と偏見」から選んで見たい。なお、各メーカー及び販売店各位に対し、何の悪意もないし、営業妨害などの他意は一切ないので、「抗議」や「贈り物」は寄せないようお願いしておく。まずは「糸ノコ盤」。「リョービ」のTFシリーズまたは、「旭工機」のAKシリーズが良い。両社ともに汎用替刃が使用出来る。¥29800〜¥39800が買い頃。リョービはアフターが早いという魅力もある。旭工機は過去、うけを狙ってか、漫画のような機種を発売して失笑されたが、以後真面目に戻って良い機種を発表している。次は「トリマー」。ビギナーをターゲットにしたリョービ機種が、その出荷台数はダントツだろうが、真の木工ファンが絶賛し、名機として崇めるベストセラーは「日立M−6」。重量感のあるダイカストボディで、職人からの人気も高い。次は「充電ドリル」。充電に限らずドリルと言えば、職人需要ならマキタやボッシュを推すが、ここはナショナル(松下電工)が良い。比較的ハードな作業も考慮したビギナー機種で、ボディーバランスやバッテリーの汎用性など、ナショナルならではの顧客満足の追及が集約されている。12Vマイジョイシリーズがお手頃だ。「ジグソー」は、何と言っても、ボッシュのスーパージグソー。プロユースで価格も高額だが、低価格のものに比べ、これほどに使い心地の良さが歴然としているものも珍しい。嘘だと思ったら、当店にご来店いただきたい。ワンタッチで脱着出来るブレードも嬉しい。「丸ノコ」は、やはり日立製だろう。そのモーターの良さは既に神話とも化している。これら推奨したメーカーともに共通して言えることは、プロ用機種の製造を積極的に行っていることである。単なるグロスとしての売上目的なら、宣伝効果のみで売れる絶対多数なビギナー向け商材でよい。ところがプロ用となると、販売戦略の良し悪しよりも、その技術力がもろに問われる。つまり「だましやお世辞」は通じない訳だ。そうした厳しいプロの目で鍛えられたメーカーが繰り出すビギナー向け商材には、プロユーザーが寄せるノウハウが詰まっている。ここで気付いた方もいらっしゃることだろう。そう、アーリーハッチの木工教室が使用している機種を紹介した。
■ペグの種類と取付方法 2004.5.7 (第144回)
壁掛け式シェルフ等に使用される木製フック。これを総称して「ペグ」と呼びます。木工作に積極的なホームセンター等で多数販売されています。形状やサイズも様々で、色んな特徴があります。取付方法で大別すると、だいたい3種類に分かれます。一つは「ねじ込み式」。フック付根が木ネジ式になっているため、フックごとねじ込むことが出来ます。ただし、耐荷重としては比較的弱く、接着剤を併用しない場合には、ゆるみが来る場合もあります。2つ目は「貫通ビス止め式」。ペグ側が埋めこみナット式になっており、本体にビス貫通穴をあけ、裏側からビス止めするタイプです。「ツマミ」などにも見られる方式で、耐荷重も大きく、比較的重量物の吊下げに向いています。3つ目は「打ち込み方式」。アーリーハッチでもメインとして使用しているタイプ。ペグの付根がテーパー式(先端に行くほど、やや細くなっている)で、本体側に規定の下穴をあけ、接着剤を塗布してペグを打ち込むものです。ネジ等の補助金物は使用しませんが、きつめの打ち込みによる食い付きと接着効果で、耐荷重的にも優れています。また、金属を使用しないという点で、ペグと本体が木材のみで統一されている美しさがあります。この場合、注意しなければならないのが、下穴の太さです。打ち込まれるテーパー部分の「もっとも太いところ(付根)」と「もっとも細いところ(先端)」の間を取った太さ、もしくは、もっとも太いところのマイナス1mm弱が、下穴の太さに適しています。つまり、下穴が太すぎるとゆるくなり、細すぎると、打ち込みきれなくなり、場合によっては、無理な打ち込みで本体側に割れがおこります。また、併用する接着剤も付けすぎないことに注意が必要です。はみ出してしまうと、平面接合時とは違い「入り隅」のため、場所的にその除去に苦労します。
■切断時のバリについて 2004.5.8 (第145回)
基本的にノコ刃を使用した道具による切断時には、必ずバリが発生します。道具別に、バリの出る側を説明すると、「ジグソー」の場合は材の表側、「糸ノコ盤」の場合は材の裏側、「丸ノコ」の場合は材の表側、「丸ノコ盤」の場合は材の裏側、「スライド丸ノコ」の場合は材の表側(それぞれ作業時においての材表裏)となります。道具によってバリ方向が決まるというよりも、刃物の向きによって同一の法則が成り立つ訳です。つまり、ノコ刃が材から切り抜ける側にバリが発生するもので、手ノコで言えば手前(引き側)となります。バリは、「材の損傷の一部」ですので、表裏とも観賞されるような部分の場合、その程度によっては、作品をだいなしにしてしまうこともあります。バリの程度は材料によっても大きく異なり、またノコ刃の切れ味によっても異なります。さらには、作業時での道具の扱いによっても影響されます。材料による違いでは、目のつまった堅いものではバリは出難く、柔らかく導管の粗いものほど出やすくなります。また木油が抜けきり、極度に乾燥したものほど出やすく、湿気が多いほど出難くなります。ノコ刃の場合では、目の粗いもの(粗切り用)ほど出やすく、目の細かいもの(仕上げ用)ほど出難くなります。また切れ味が悪くなるとバリも多く発生します。作業動作では、切り進むスピード(材送り)が早ければ早いほど、やはりバリが大きくなりますし、材をしっかり押さえられず暴れた場合(糸ノコなど)にも発生します。また、オービタル(しゃくり動作)機能付きのジグソーの場合、それを有効にすると、切断が楽に行える半面、バリが激しく発生します。番外として、ドリルによる穴あけの場合、材の裏側に発生します。この場合、材の下に「捨て板」(不要な板)を敷いて作業することにより解消されます。以上、こうした特性を踏まえたうえでの作業が、丁寧できれいな作品を生み出すポイントにもなります。
■本では教えないポイントシリーズ@「序章」 2004.5.9 (第146回)
今回からは、手作りカントリー木工に挑戦するうえで、木工誌では教えてくれない「細部においてのポイント」を解説していきます。と同時に、懇意な某誌編集担当各位は、さっそく記事に反映させてくれることと思いますので、「本では教えない」とは言うものの、そのうち紹介されることと期待します。木工雑誌類では、その限られたスペースから、どうしても大枠でしか解説・紹介されないため、実際にそれを見た読者が、それを参考にし、その通り出来るかと言うと、大いに疑問です。そうしたことはエディター達も痛いほど解っているのですが、構成上致し方なしということで、提供する側される側ともに不満の残る結果を繰り返しているようです。そうした中でも、現在国内で発売されているカントリー系雑誌の中で注目できるのは、日本ヴォーグ社が発刊する「カントリークラフト」。カントリー木工のプロセス紹介が充実しており、特筆できるのは、ポイント的なノウハウに力を入れ始めていること。実はこれこそ、これまで読者が知りえなかった部分でもあり、同時に不満の原点でもあった訳です。小出し紹介するよりも、いっそのこと特集ページで、料理本でいうなら「つまみの一品特集」さながらの、「ワンポイント特集」をやったらとも思うのですがいかがでしょう。それはさておき、道具や工具、素材といったものが、たやすく、そして安価で購入出来る現在、過去においては特殊な加工・技術とされていたものが、ビギナー向けとして市場に出回っている訳で、木工誌に掲載されている「木取り図」などは、そのままホームセンターに持っていけば、あっという間にカットしてくれます。つまり、ユーザー自身が本気で手を付ける部分はその先である訳で、情報を提供する側は、まさに「その先」の部分を紹介すべきと思います。そうすることにより、初めて読者はそれを「参考になる」と認識するのです。という訳で、そのさきがけにするべく、誰も教えてくれない細部のポイントをシリーズでお伝えします。(明日へ続く・・・)
■本では教えないポイントシリーズA「扉篇」 2004.5.10 (第147回)
(昨日より続き)扉付き作品の場合、一般的には扉の表裏とも、そのすべてにトリマーによる面取りを行います。ただしこの場合注意すべきなのは、「扉内に棚板があるかどうか」ということです。基本的構造として、内部に棚板があれば、扉を閉めた時の「扉の入り込み」を防いでくれます。しかし、棚板がない構造の場合では、内部に何らかのストッパーがない限り、この「入り込み」が発生します。そのため、扉の裏側の丁番側(吊元側)には、トリマーによる面取りをしないという防止策があります。つまり、扉表面はすべて面取りし、裏側は丁番のくる辺のみを残し、面取りすることで、完全ではないにせよ、入り込みを防止してくれるのです。ただしこの場合での条件は、丁番の付く側の「扉枠」対「扉」の隙間は設けないことです。隙間をあけてしまうと、確実に「入り込み」が起こります。もちろん、内部に棚板やストッパーがある場合には、入り込みを考慮する必要がないので、俗に言う「ハガキ1〜2枚分」程度の隙間がベストとなります。明日は引き続き「扉篇」として、ハートなどを切り抜く際の「失敗しないポイント」とお話します。(明日へ続く)
■本では教えないポイントシリーズB「扉篇その2」 2004.5.11 (第148回)
(昨日より続き)作品の「顔」とも言える扉。ことカントリー家具では、この扉にハートの切り抜きを多用しますが、よくある失敗例に、切り抜く際やトリマー処理の際に起こる、「縁取り傷」があります。原因は、ジグソーやトリマーを使用する際、材と本体ベース部分の間に、切り屑(木片)が付着した状態のまま切り進んでしまい、結果、切り抜いた形と同じラインの傷が扉に付いてしまうものです。当然のこと、ジグソーやトリマーでの作業時は、しっかりと材に押し付けて進むため、おのずとそうした傷も、「しっかり」付いてしまいます。この傷はサンディングによる調整でしか、消す方法はないのですが、その深さによっては、完全修正が無理な場合も多々あります。当たり前の防止策は、加工前での切り屑の除去になる訳ですが、「小ホウキ」(ササラ)を1本常備しておくのが木工家のならわしです。特にトリマーでの傷防止として、扉の面取りをする場合は「裏面から始めること」がポイントになります。なぜかというと、仮に表から面取りをすると、作業台の上は切り屑が飛び散っています。そして次に、裏側をかけるため扉板をその上に裏返すことになりますので、万全な切り屑の除去を行っていないと、台に接触している「扉の表面」に傷を付けるおそれがあるためです。これを、扉の裏面から始めれば、それだけ、切り屑が原因した傷が防止できるのです。作業前や作業後での片付けや清掃は、日々の生活習慣から、意外とそつなく出来るものですが、こと夢中になっている「作業途中」でのそれは、おろそかになるものです。もう一つの大きなポイントは、扉板に限らず、「作業台の上では、材を滑らせない」ということ。常に、「もし台と板の間に木片が挟まっていたら・・」ということを考えながら作業することが大切です。そうした材への心配りのあるなしが、その人の作風にも大いに表れます。明日は、誰も教えてくれない、木材についての「反りの扱い面」についてお話します。
■本では教えないポイントシリーズC「反りの扱い面」 2004.5.12 (第149回)
過去の講座でもお話しましたが、ほとんどの板材には「表・裏」があります(注:柾目板には表裏なし)。入門系の木工関連誌では、木取り図や組立図は掲載されているものの、その表裏の扱い面について触れているものはほとんどありません。実はこの表裏の扱いこそが、木工の基本中の基本な訳で、それを飛び越して解説に励む木工誌は、単なる「初級者向け」というよりも、中級上級への進歩を考えない「初級者止め」の本といっても過言ではないと思います。愚痴はこの位にして本題に入ります。おさらいになりますが、木材の表裏は、「木表・木裏」であらわします。丸太の芯に向いた側が「木裏」、樹皮に向いた側が「木表」です。一般的に木表側の方が滑らかで、光沢があります。しかし、だからといって、木表側が作品の表面という訳ではありません。木材の呼吸を妨げないオイルフィニッシュによるカントリー系家具においては、材の反りや変形が付き物です。そのため、その扱い面は、基本的に「反りを考慮した表裏の選択」が重要になります。材の木口を見ると、弧を描いた年輪が確認出来ます。この年輪ラインが「まっすぐになろうとする作用」によって反りの方向が決まります。つまり、木表側から見ると、その両端が浮き上がるように反り、木裏側からは、中央が浮き上がるように反ります。これを頭に入れながら、材の扱い面を考えると、まず「扉板」は木裏を正面にします。正面木端が露出する構造での「側板」は、木表を内側にします。それにより、反りによる棚板との隙間の露見を防止します。「引出の側板」では、木表を外側にすることにより、反りによって起きるきつさを防止します。「天板」においては、やはり木裏を上にすることにより、正面側の浮き上がりによる隙間防止をします。具体例の紹介はこれくらいにしますが、必ずしもその通りにすべきかと言うと、それは作風や木目の美しさの具合によっても異なってくるので、いずれにしても、木表・木裏による反りの方向を理解し応用することで、はじめて木取りや墨付け、組立てと言った作業が始まる訳です。ちなみに表裏のない柾目板は、反りも少なく、板目板に比べ取れる量も圧倒的に少ないため高品質とされますが、はっきり言って単なる縞々模様の面白味のない板です。
■本では教えないポイントシリーズD「木製ツマミの塗装法」 2004.5.13 (第150回)
カントリー系作品のうち、扉仕様のものや引出付きのものには「つまみ」や「取手」が付き物です。陶製のもの人気ですが、やはり木製のものが主流といって良いでしょう。この「木製ツマミ」の正しい塗装方法はあまり知られていません。一般にオイルフィニッシュの場合、板材である作品本体は、刷毛を使用し、たっぷりと塗布します。数分の浸透時間を経過後、乾燥以前に拭取ることが基本となります。この際、お気づきの方も多いと思いますが、木材導管の特性により、板面や木端に比べ、木口の方が激しく吸い込みます。そのため、木口部分は他の部分より黒っぽく着色されます。そして「木製ツマミ」も、その正面側が木口となっています。そのため、他の板材同様、刷毛を使用して塗布すると、作品正面に比べ、ツマミ部分のみが、黒く仕上がります。作品自体がダーク系であれば、さほど気にもなりませんが、ナチュラルやミディアム系の場合、かなり違和感が生じます。そうした場合の塗布方法は、刷毛による直接塗布ではなく、ウエス(ボロキレ)にオイルを少量含ませ、そのウエスでツマミを磨くようにして着色します。そうすることによって、黒くなるほどの吸い込みを防止します。また、ツマミ自体、その使用を繰り返すことにより、手垢などの汚れが付きます。当然の日常メンテの範囲ではありますが、ツマミ部分のみは、出来るだけ制作初期の頃に乾拭きを繰り返すことをお奨めします。それにより、オイルに含まれた樹脂成分が、具合良くツマミ表面に滑らかな塗幕を形成し、汚れの内部浸透を防いでくれます。作品本体の木口部分は、オイル塗装前に、念入りにサンディングをすることにより、目止め効果もあいまって、若干ではありますが、過度の吸い込みを抑えてくれます。
■本では教えないポイントシリーズE「ダボ仕上の種類」 2004.5.14 (第151回)
カントリー木工作での接合手段は、基本的に「釘仕上」と「ダボ仕上」に大別されます。中には、接合金物類を表面に見せない、内側からのネジ接合や、一方小物雑貨等では、接着剤のみでの接合による作品もあります。実用を伴う作品で、比較的大型のもの、しかも制作のしやすさという点から、手作りカントリー木工では、「ダボ仕上」が主流です。この「ダボ仕上」には、3つの方法があります。教科書にも載る伝統的な方法ともいえるのが「丸棒打ち込み方式」。ダボ穴に丸棒を打ち込み、余分な部分をノコでカットする方法です。欠点は、ノコによる切断時に、作品に傷の付く恐れがあること。2つ目は、この丸棒を、打ち込む以前にダボ穴より若干短めに、あらかじめカットして使用する方法。作品自体にノコによる傷が付かないといった面では大変有効ですが、ノコによる4〜5ミリでの連続した水平カットは熟練が必要。3つ目は「木栓方式」。これは、あらかじめ装飾用として、市販されているもの。接着剤を使用してはめ込むという点では楽ですが、逆に苦労しない分だけ、おもしろみがないとも言えます。また最近では、これら「木口」が正面となるダボ仕上げに対し、板面を正面にして塗料の吸い込みを抑え、作品本体との仕上がり面での調和を考えた「木栓製作用ビット」も販売されています。
■本では教えないポイントシリーズF「道具類の適材低所」 2004.5.15 (第152回)
初心者向け木工誌を見るにつけ、非常に気がかりになるのが、道具類の誤った使い方や、道具選択における考え方の間違いです。例えば、木材を切断するための道具には「丸ノコ」「ジグソー」「糸ノコ」「手ノコ」等があります。これら道具は、単に「木材を切断するもの」という定義以外に、それぞれが適材適所であるところの特徴を兼ね備えています。ここで、あえてその特徴についての説明は割愛しますが、「大型作品でも、糸ノコ1台あればここまで出来る!」などと言うページは、「果物ナイフでも、無理をすれば魚もおろせる!」と言っているみたいですし、極曲線をジグソーでカットしている写真の紹介などは、まるで出刃包丁でリンゴの皮を剥いているようで、これではとても「初心者向け」とは言えず、むしろ「決して真似をしないで下さい」という注意書きを添えたくなります。「いかに簡単な工具で、そして少ない道具で製作出来るか」が、イコール「初心者向けである」という誤った認識がそうさせているのでしょう。道具工具は、いたずらに品種が多い訳ではありません。それぞれに、その作業性、用途、ひいては安全性をも考慮し、用意されています。作業工程における、その「応用」はおおいに結構なことですが、少なくともそれは「確実なる基本作業」を身につけた上でなければ、決して「応用」にはならず、単なる「でたらめ」となります。そうした意味で、木工作業における「適材適所」とは、つまり道具を知ることからスタートします。私が木工誌への忠告や意見にこだわるのは、そうした誌面から情報を得ようとするビギナーへの影響力が非常に大きいからです。こと安全性にかかわる内容においては、これまでも、そしてこれからも、厳しくチェックし提言していくつもりです。初心者向けであるからこそ、正確な知識・認識をもって、その指針となるべく、活動をしていきます。このシリーズは今回で終了。明日は、興味のない人にはまったくつまらない、さらに興味のある人もつまらないであろう、「木工哲学」をお届けします。
■傾向に見るプロ作品の質低下 2004.5.16 (第153回)
流通を目的とした製品に見られる現象として、著しいその質低下がある。芸術性を追い求めるものや、個人が個人で楽しむものには、採算という概念にとらわれない、美しさと純粋さがあるが、昨今多くのプロ作品には、販売目的が故の「コスト軽減」「製作のしやすさ」と言った醜さが露呈している。特に、日の浅い「カントリー」というジャンルでは、作品の質的競合性も薄いため、プロ作品の個人に与える影響もまた、その手本として盲目的に追従される傾向がある。つまり生産主義的没個性に他ならない。プロの作品で言うところの「コスト軽減」とは、「儲け」の同意語と言って良く、決して個人の求めるそれとは異質であり、「製作のしやすさ」もまた、時間的コスト意識という点で、同様の意味を持つものとして、やはり個人が求めるものとは違う。作品の美的尊厳は、唯一純粋なオリジナリティによってのみ保障され推奨されるのである。個人が楽しんで作るものには、プロには成し得ないハイレベルな美しさが存在する。
■使用環境における安全性の再確認@ 2004.5.17 (第154回)
実用作品としてのカントリー家具類において、もっとも注意しなければならないひとつに、その使用環境があげられる。例えば、水回りの作品や、ガスレンジ回りなどの作品、オーブンレンジなど発熱物を収納する作品がそれにあたる。こと女性が好むカントリースタイルは、特にキッチン向け作品に人気があるが、こうした使用環境での作品には様々な留意点があるので、ここで紹介したい。基本的に木製家具は、「水」と「熱」に弱いとされる。オイルフィニッシュによる作品では、木材表面に塗幕を形成していないため、材の呼吸を維持できるという利点を備えるが、反面、水滴などが付着した際の「染み」は防げない。当然、防水性も撥水性もないし、対薬品性も乏しい。こうした場合においての対策は、ワックスによる表面コーティングが好ましい。効果は3〜6カ月程度で、以後継続したメンテナンスを要するが、放置してみすぼらしくなることを考えれば、作品を永く愛する意味でも惜しみはないと思う。発熱物の近くや、それを収納する作品に至っては、特に注意を要する。あくまで保証のない参考数値のひとつとして言えば、一時的であっても40度を超えるような場所での使用、または収納は、「作品自体の変形」「内部樹脂の流出」「変色」が確実に発生し、ひいては「炭化」「発火」を誘発し、火災の原因にもなり得る。このところ、「レンジ台」などの作品が目立つが、特にオーブン機能を使用した場合においての発熱を充分考慮した設計であるか、また熱のこもらない構造かの確認も怠れない。デザインや流行が先走りする中、そうした具体的な使用環境における不具合については、使用者本人の責務にかかるところが大きい。(明日に続く・・)
■使用環境における安全性の再確認A 2004.5.18 (第155回)
(昨日より続き)火回り、水回り以外においても、その構造に留意しなければならない作品は多い。強度的問題で言えば、テーブルやデスク、椅子と言った大型実用家具がそれだ。特に脚部構造が耐荷重的に考えつくされたものかどうかの観察が必要。小型実用系においても、ベンチや踏み台などと言った、人の体重を預ける作品については、大型作品同様に注意が不可欠となる。構造の緩み(ホゾ組みなどでは「笑う」と表現する)の最たる原因は、横揺れに耐え得る設計がなされているかどうかにかかる。素人目には丈夫そうに見えても、その実、接合接着の甘さなどから、長期使用に耐えられないものが意外と多いのが実情。参考とすべきは、その制作者の作品ラインナップ。人の体重を預ける類の作品群が充実している場合は、制作者自身のそうした作品に対する得手の裏付けと言い換えることが出来る。逆に、実用系作品の少ない作者のものは、小型装飾系の延長作品である恐れもあり、同時にランニング検証の乏しさを物語る。体重を預けるということは、同時に信頼を置くこととイコールである。正確な知識と技術を兼ね備えた作家が作り出す作品群には、使用者への浅からぬいたわりとこだわりを表現させている。(明日に続く・・)
■使用環境における安全性の再確認B 2004.5.19 (第156回)
(昨日より続き)そうした、構造や設計の不具合といったものとは別に、消費者本人の使用環境・設置方法などによる諸問題も多々ある。例えば、上下分離式の家具や、人の目線を越える高さの作品、また故意に積み重ねをした物などでは、転倒や脱落といった事故の可能性をも含む。冷蔵庫やテレビ、ステレオ等が、部屋中を走り回ったと言うような「大震災」も記憶に新しい。家具の倒壊や崩壊で命を落とした人が多数いることは、紛れもない事実で、そうした災害時の教訓が、没者への追悼同様に、備えとなって記憶に残しておきたい。無重力を体験したことのある人の多くは、自室内の家具類を壁面に固定する労を惜しまないと聞く。我々も、単に「置いてある」ということの不安定さを強く認識しなければならない。家屋そのものが崩壊するような災害時には成す術もないが、少なくも、我が身の安全を、我が身の備えによって防げ得る可能性は大いにある。考えても見て欲しい。状況によっては、人は転んでも死ぬ。(明日へ続く・・)
■使用環境における安全性の再確認C 2004.5.20 (第157回)
(昨日より続き)壁面取付アイテムの場合でも同様で、その設置場所や取付具合にも注意が必要だ。小型のウォールシェルフ類では問題ないだろうが、比較的重量があり、尚且つ実用作品であれば、落下の可能性もある。カーテンボックスなど、はるか頭上を越えるものには特に注意が必要となる。昨今の住宅内装壁は、そのほとんどが中空タイプの建材を使用しており、またその素材は「燃えない建材」としての石膏ボードが中心。そのため、ボードそのものへのネジ釘の打ち付けは耐重的に無意味で、ボードの下地となる木材を狙わなければならない。中空壁用の各種アンカー類も多数販売されているが、基本的にボードそのものの損壊強度を基準とした引き抜き強度は、一般的に静止状態で5kg程度が目安となり、瞬間的な最大荷重を考えれば、実用作品でのアンカー使用は、あまり好ましくない。恐怖なのは、カーテンレールやカーテンボックスの取り付けに、そうしたアンカー類を使用している例が意外に多いこと。職人施工だからといって安心は出来ないというひとつの例だ。また、ボードの下地木材を狙った取付時においても、その使用ネジの長さに注意が必要。ボード自体にネジはきかないので、「取付本体の厚み」+「ボードの厚み」+「下地木材の厚み」が最低限必要となる。ボードの厚みには「9mm」「12mm」「2枚貼り」などの種類がある。実際の厚みを確認するためには、壁面にあるコンセントのプレートを外してみると解る。
■カントリー家具の魅力を伝えた「テレビチャンピオン」 2004.5.21 (第158回)
5月20日放映の「テレビチャンピオン カントリー家具選手権」は、非常に見ごたえがあった。出場選手は皆、趣味の域を越え、カントリーショップや木工教室を行っている女性達であったが、男性顔負けの器用さで、あらゆる工具を駆使し、また女性ならではの発想と表現力により、見る者を驚かせる作品を次々作り上げ演出した。当店のカントリー木工教室も、参加者は女性が中心で、やはりそれぞれに、男性にはない生活観に見合った作品が中心となる。カントリーというスタイルを土台にして、その上に女性ならではの「やさしさ」「可愛らしさ」「和み」「こだわり」、さらには「たくましさ」といったものを、余すところなく表現している。「どうせ女性が作る程度のものだから・・」などと、あなどっている男性達も多いことだろうが、そうした諸君も、間違いなく女性が産み出し存在していることに間違いはない。うそだと思うなら、母親か父親に聞いてみると良い。基本的傾向として、作品のスケールに魅了され奮起するのは男性に多く、作品そのものの利用価値や使い勝手、果ては不要になった際の処分方法等、その細部まで、みずからの行いによって実現させ満足を得ようとするのは、断然女性に多い。そうした意味で、より真剣に物作りと向き合うのは、男性よりも女性が勝る。なお、何かしらの期待や義務を課せられ、更には報酬や自尊心などが加わり、諸手を挙げられ万事依頼をされたような場合では、圧倒的に男性が向いている。物作りの楽しさや、その意義までも実感でき、更にはその実用性や生活スタイルまでをも演出出来るのは、やはり女性のテリトリーと言える。どうか世のご主人方、手作りカントリー家具に打ち込む奥方を、尊敬こそすれ蔑むことなかれ。少なくも彼女らは、身の回りの道具の区別と、その扱いに長けている。
■ワックスについて 2004.5.22 (第159回)
カントリー家具の塗装として代表的なオイルフィニッシュ。表面を樹脂幕で覆い木材を保護する「ニス」などとは異なり、自然な手触り感を損なわないため、木材に浸透させ内部凝固することにより、反りや変形、ヒビ割れなどを防止し、半永久的にその効果が持続します。そこでポイントとなるのが、「水まわりでの使用」と「色落ち」。木材表面に塗幕を形成しないため、水分が付着すると、確実に染みが付きます。また、同じ理由から、色落ちも発生します。これらの問題は、5年10年という永い目で見れば、「染み」などは日々の使用により薄れ、自然なワックス効果も表れます。「色落ち」についても、一時的な人為的着色の薄れよりも、自然な味のある木材変色が勝ります。こうした変化を楽しむことも、ナチュラルカントリーの醍醐味ではありますが、そこは「今」にこだわる現代人。効果的対策は、やはりワックスの塗布となります。ただしこの場合、ワックスを使用しない場合での自然変化とは大きく異なり、その定期的メンテナンスを怠ると、磨耗部分よりの「木材変色」や「汚れ浸透」がおき、非常に不自然なムラが発生しますので注意が必要です。また、ワックス自体に色が付いているタイプのものは、効果を失った際のワックス剥離に合わせ、その色も落ちますので、やはり不自然な色ムラがおきます。特に実用家具類へのワックス塗布は、あらかじめ着色成分を含むオイルフィニッシュ等を済ませた上での使用が好ましいと思います。というのも、このところ、その「2種塗布」という手間のかかる塗装工程を省くためか、白木状態からの着色ワックス仕上げの作品が多く出回っています。オイルフィニッシュに比べ、ワックスの塗布は、作業時での臭いもほとんどなく、その扱いが非常に楽なため、一部の手抜き作家が多用します。
■「焦がし麦」の技法について 2004.5.23 (第160回)
先日の「テレビチャンピオン、カントリー家具職人選手権」で優勝した吉田さんが、その番組内で行っていた「麦の装飾彫り」(焦がし麦)の技法についての問い合わせが多いので、ご本人の代わりにお答えします。なお、吉田さんとは、番組内でお会いしただけの面識ですので、直接その方法をお聞きした訳ではありません。そのため、私なりの解釈で説明しますのでご了承下さい。はじめに、板の上に、鉛筆等による下絵を施します。原紙イラストを元にカーボン紙による複写も有効と思います。トリマーに「V字ビット」を装着し、トリマーシューのベース部分前方を浮かせるようにしながら、その上下の浮き沈みによって掘り込み深さを加減し、立体的な「穂」を描きます。つまり、浅く掘り込んだ場合には掘り幅は狭くなり、深く掘り込んだときは太くなります。もちろん、ただ上下すればよいのではなく、同時に、接地されたベース部分も、その掘り込み形状に合わせ、前進しなければなりません。この技法においての難しさは、「絵心」と言った感性も大事ですが、筆の扱いとは異なり、高速回転するビットを筆の如く扱うため、そのビット回転により、進行方向がずれてしまうということです。そうした「回転に取られる」ことに注意して、しっかりとトリマー進行方向を維持しなければなりません。いずれにしても、見よう見真似で出来るものではありません。基本的なトリマー操作を熟知し、その特性を理解していないと、取り返しのつかない、ただの落書きとなります。そしてなにより、「筆書きで麦の穂が描けない人」は、道具を使っても上手には彫れないことを保証します。
■カントリー家具における素材の基本 2004.5.24 (第161回)
20日放映のテレビチャンピオン「カントリー家具職人選手権」をご覧になって、初めてカントリー木工に興味を持たれた方も多いと思います。基本的に、カントリー系の木工作品の素材、及びその構造は、「簡素」であり且つ「ナチュラル」であることが最大の特徴です。複雑に凝り固まった「技」と、高価な素材に物を言わせ、その世界に通じる者でなければ、その良さが理解出来ないようなものとは異なり、だれもが親近感を持つことが出来、さらには、「自分にも出来る」という思いを抱かせてくれます。木材は無垢材が主で、特にその木目やフシが特徴の「パイン材」(松)が好まれます。パイン材を使用する、それ以外の特別な理由はなく、あえて言えば、発祥であるアメリカ合衆国内で、比較的容易に手に入る木材であったという程度。その古き良き時代には、現在のような「集成材」などなく、もちろん近代的工具や金物、上質な接着剤もない訳で、そうした作風から、いわゆる「不器用」とも言える素朴さ漂うカントリー家具のスタイルが確立されています。身近な材料を使い、あれやこれやの専門工具を必要としないからこそ、親しみを感じることが出来る。それが「カントリー木工」なのです。
■取手・ツマミの選び方について 2004.5.25 (第162回)
一部おさらいとなりますが、取手やつまみ類は、その取付方法により、大別して2種類に分けられます。本体である木材側にネジの貫通穴を開けて内側からネジ止めするタイプと、表側から木ネジ式で取り付けるタイプがあります。前者については、ネジにより木材を挟み込む方式ですので、その強度は「ネジ、もしくは取手・ツマミの破断強度」とイコールになり、かなりの荷重となります。ゆえに「引出」などの収納重量が予測しきれないものや、後者タイプである「木ネジ」の使用出来ない素材や構造の場合に多く利用されます。後者の場合は、木ネジを使用するため、本体が「木材」であることが前提となります。前者のタイプのように、貫通穴が不要で、ドライバーによる取り付けとなるため、比較的容易な作業で済みますが、反面、その強度は低く、木素材に対する「引き抜き強度」となるため、扉以外の比較的重量物を収納する「引出」などには不向きと言えます。ただし、後者「木ネジ式」の場合は、後に前者「貫通穴式」への取り換えが可能(同位置への貫通穴加工)なのに対し、その逆(貫通穴式から木ネジ式への取り換え)は不可能であることに注意が必要です。単に「取っ手やツマミ」のデザインのみにこだわって、作品を選ぶ前に、そうしたことも考慮することが大切です。
■目的から見る塗装のコツ 2004.5.26 (第163回)
木材は、無塗装であったとしても、それなりの味があります。とはいうものの、白木状態の家具というものはほとんどなく、なにかしらの塗装が施してあるものです。ご存知の通り、カントリー家具では、着色および浸透による凝固作用で、木材を長期保護する「オイルフィニッシュ」が一般的。他には、単なる着色のみが目的の「ステイン」。表面に塗幕を形成し、家具全体を樹脂コーティングする「ニス」「ペンキ」等があります。「オイルフィニッシュ」や「ニス」は、木材保護効果を持つのに対し、「ステイン」類にはそうした効果はないため「白木状態」と同様で、それのみでは、家具塗装として落第といえます。また、「オイルフィニッシュ」は、浸透凝固により木材表面に塗幕を作らないため、木材自身の呼吸を妨げず、木材内の微量水分の「蒸れ」がおきないので、環境調和に適していますが、一方「ニス」等の塗幕を形成する塗料の場合は、そうした内部水分の逃げ場がないため、場合によっては腐蝕や変形の恐れがあります。実用家具類であれば外装表面、テーブル等では天板上部に塗布し、見えない部分などは無塗装にするか、または希薄による1回塗布程度にします。テーブル等実用家具類で、オイルフィニッシュのみの仕上げにしたい場合は、24h間隔で「塗布+塗幕(耐水ペーパー)」を3〜5回繰り返すことで、微光沢の仕上がりになります。効果はダーク系の方が良好にあらわれます。
■準備したいサンディング用具の種類 2004.5.27 (第164回)
木工作に欠かせない道具にサンディング用具があります。手作業では「サンドペーパー」、電動では「サンダー」などがあります。サンディングは、木材の下地調整として使用します。具体例で言えば、「汚れや傷の除去」「切断面の修正や磨き」「塗装のための下地調整」「塗幕研磨」などとなります。その目的別に、サンディング用具の種類を列挙すると、まず汚れや傷の除去用としては、電動工具である「サンダー」の使用が効率的です。手作業であれば、サンディングブロックやハンドサンダー、または木片にペーパーを巻きつけた状態で使用します。糸ノコやジグソーなどで、曲線切りをした場合の修正や磨きでは、その切断形状によって、用意する用具も異なります。ハートのくり抜きの先端部などのような入り隅部分では、厚みと幅のない、平たい金属板などにペーパーを巻きつけたものを使用します。また同様にハートの丸み部分では、丸棒などにペーパーを巻きつけて使用します。この場合は、丸みの大きさに近い丸棒が理想となりますので、数種類の径の端材を用意しておくと便利です。飾り曲線などの修正では、凸部分はサンディングブロックでまかなえますが、逆に凹部分は、やはり丸棒等を利用します。こうした、木端や木口といった表面に直行する切断面のサンディングでは、直にペーパーのみを手に持って使用することは、効率も悪く、お奨め出来ません。また、木工誌等でダボ仕上げのサンディングを直接ペーパーを持って作業する場面を見かけますが、それはあきらかに邪道です。直接手に持って行うサンディングは、例えば面取り部分の仕上げであるとか、塗幕研磨などの場合のみに有効となります。明日は、そうしたサンディングの際に使用する「番手」(ヤスリの粗さ)を説明します。
■サンディングの番手について 2004.5.28 (第165回)
ヤスリの粗さは「番手」とよばれる数値で表される。数字が多いほど、その粗さは細かくなり、小さいほど粗くなる。当然のことではあるが、粗ければ粗いほど、その研磨率は高い。しかしその場合、効率よく削ることは出来るのだが、その分だけ荒削りとなる。逆に細かければ細かいほど、削れる効率は低いが、より滑らかな仕上がりとなる。木工作で使用する一般的な番手の範囲は、「#80〜#400」であり、すでにプレーナー加工(カンナ仕上)済みで販売されている木材がほとんどであることからも、実質的な下地調整は「#120〜#240」でまかなえる。具体例で示すと、昨日説明のような、曲線加工時の修正等では、その状態により「#80」を使用して形状修正し、「#240」で粗さを取るのが理想。面取りはトリマーに委ねるところが多いと思うが、その切削面の状態により、やはり「#240」で仕上る。材の汚れや傷の除去では「#120」より粗い番手は使用しないようにする。なぜなら、材そのものの平面をゆがめる恐れがあるためだ。外装表面のサンディング時は、どんな粗い番手を使用しても、最後は必ず「#240」以上の番手でならすこと。サンディング自体、材表面に細かな傷を付け、その仕上げをしている。つまり、細かければ細かいほど、滑らかに見える。見えるだけでなく、オイル塗装をすると、手触りや外観であきらかに確認できる。粗い番手のみで仕上たものは、はっきり傷となって表れる。また材にもよるが、「#400」程度で、丹念にサンディングしたものは、目止め効果もおき、平均的なオイル浸透を実現する。つまり、材の特性による吸い込みムラを、平均的に抑える役割も発揮するということ。木工全般に「丁寧か否か」は、このサンディングの工夫と理解度によって歴然とする。
■ヤニの除去法について 2004.5.29 (第166回)
針葉樹系の板材は、ヤニの出るものが多い。パイン材もその例外ではなく、むしろ多いと言ってよい。板材内部に「ヤニツボ」と呼ばれるヤニの溜まっている部分がある場合、その導管の隙間や繊維の柔らかい部分を伝って、表面に流れ出てくる。特に板材表面にそれが当たっている場合は、ヤニツボ内部が現れるため、除去もしやすいが、内部に隠れている場合には、その場所を特定することが難しく、ヤニが浮き出た時点で、初めてそれとわかる。触ってみたことのある方はお解りと思うが、このヤニは、接着剤としても利用出来るほど、その粘着力は強力で、基本的に温度変化に合わせ、粘度も変化する。つまり、気温が高くなるとゆるくなり、低くなると硬化する傾向がある。冬場には気付かなかったものが、暖かくなると出始める。その除去法として、直接のサンディングは厳禁。硬化状態だからと言ってサンディングをすると、その摩擦熱で軟化し、粘った状態で、材表面に引き伸ばされ、かえって汚くなってしまう。有効な方法は、ペイント薄め液(石油系シンナー)を含ませた布で拭取ることにより、簡単に除去できる。ただし、そのヤニが完全に出きっている場合なら、それでよいが、内部に大きなヤニ溜まりがあると、数日後にはまた染み出てくる。いたちごっこの感はあるが、内部のヤニ量には限りがあるため、いずれ必ず止まる。また一般的には、ほとんどの場合、それに気付いた時点で、すでに出きっていることが多い。拭取り後、3〜4日様子を見て、再発の恐れがないことを確認し、仕上時に使用した塗装(オイルフィニッシュ等)を軽く行うとよい。このヤニ出の症状は、塗幕を作らないオイルフィニッシュやステイン仕上げの場合に多く、表面を完全コーティングする「ニス」「ラッカー」「ペンキ」などの場合には起こりにくい。つまり、自然を楽しむカントリー系家具には避けられないとも言える現象。これもまた、生きた作品である証拠とも言える。
■メモっておきたいサイズの色々 2004.5.30 (第167回)
我が家の手作り家具制作、特に実用作品を制作する場合に結構手間取るのが、収納したい物のサイズ確認。そこで、ヘビーな木工ファンに欠かせないのが、そうした収納物サイズの一覧表。それさえあれば、いちいちメジャーを持って測る必要もなく、机上のみでの作図が可能となる。具体的に収納物を列挙すると、「A4雑誌」「コミック」「文庫本・単行本」などの雑誌類や、「MD・CD・DVDソフト」「ゲームソフト」「ビデオテープ」「カセット」などのソフト類などなど、室内を見渡せば、限りなくそうした収納物が点在するはず。「そのつど測ればよいのでは」と思われる方もいると思うが、そうしたデータを控え持つことも、実用木工作を楽しむ一つの要素と言える。作図においての留意点として、特に収納物の高さ実寸に対し、最低20mmの余裕を持つことが重要。つまり、取り出す時の「指先」が入る隙間と、「取り出し傾斜」の必要最低寸法がそれにあたる。
■オイルフィニッシュの塗装法と留意点 2004.5.31(第168回)
カントリー家具に多く用いられる塗料として、オイルフィニッシュが代表的。「ニス」や「オイルステイン」「ペンキ」等との違いについては、過去の講座で解説してきた。そこで今回は、そのうちもっとも代表的な「ワトコオイル」について、その塗装時における具体的な注意点を述べる。養生手段としては、「新聞紙」を用いるのが一般的。ただしこれは、作業台や床面への付着対策であって、基本的には塗装中の作品そのものを、直に置いて作業すべきではない。オイル内には有機溶剤が配合されているため、作品を直置きすると、その溶剤が新聞紙のインクを溶かし、作品に付着してしまう。茶系色の場合は、さほど目立たず、気づかない程度であるが、特にカラーページのインクが付着すると、目もあてられない惨状となる。理想的には、新聞紙の上に不用な角材等を複数本並べ、その上に作品を置いて塗装を行うと良い。塗装の基本は「塗りにくい部分」から始める。作品内部や底裏などがそれだ。表面となる部分は、出来るだけ木目に沿って塗る。オイルであっても、一塗り目の吸い込み量がもっとも多い。そのため、木目に直行して塗り始めると、まれに吸い込みムラがおこり、重ね塗りをしても、筋が残る場合があるので注意。特に、内部の塗布中に、表面へ液垂れしている場合などは、表面塗布への時間差が大きくなるため、ムラとなって残る場合が往々にしてある。そうした場合には、すかさず液垂れしている表面側を、木目にそって部分的に撫で塗りしながら進行する。塗りが終了している板面を下にして置く場合には、新聞紙への直置きは禁物。また、敷いてある角材の上であっても、その角材のあとがラインとなって移る場合があるので、ボロキレ等をかませると良い。一回塗りが基本ではあるが、特に作品正面や目立つ部分については、乾燥前に再度撫で塗りすると仕上がり感がよくなる。オイルフィニッシュは浸透性なので、他の塗料のように、表面塗装幕の乾燥を待つ必要がない。木材への液剤浸透は数分で終了しており、それ以上、上塗りしても内部浸透はされないし、拭き取りのインターバルは無意味。逆にその特性として、塗布後数日間は、浸透したオイル成分が、材表面に浮き上がってくる。放置すると、手触り感がザラザラになる。そのため、塗布後3日間くらいは、完成をいとおしむつもりで、乾拭きを繰り返す。それにより、樹脂成分が薄い塗装幕となって、材表面に伸ばされ、柔らかな手触りと、微光沢を発する。オイルが付着した新聞紙やボロキレは「発火」の恐れ(植物成分のため)、があるため、使いまわしはぜず、水分を含ませ廃棄する。
■木工欲について 2004.6.1 (第169回)
趣味としての木工愛好家には、その制作スタイルとして2つのタイプがある。ひとつは、木取りや大まかな切断はホームセンター等のカットサービスを利用し、曲線カットや穴あけ加工、面取り、組み立て、塗装等を楽しむタイプ。工具も限定されたもので済み、より手軽に木工を楽しむ人に向いている。もうひとつは、定尺の木材のまま購入し、すべての作業を自分で行うといったタイプ。必要工具が多く、同時にその工程も自ずと増えるため、まさに木工そのものを楽しみたいといった人向けだ。元来、木工と言えば後者タイプがほとんどであったが、DIYブームや、ホームセンター等のサービス機能向上により、前者タイプが急増している。趣味としての世界も、「浅く広く」というか、「ひとつのことに打ち込めない」というか、悪く言えば、「じっくりと腰を据えて物事に取り組めない」という、現代の象徴的ライフスタイルと、もっと言えば、作ることの楽しさよりも、作品そのものを得ることの充足感の方が、自らが作り出す喜びよりも勝るという、我々を含め、いわば飽食時代の申し子が、そうした環境を作り出しているがため、より高尚と言える「手作りを楽しむことの意味」が理解され難い世の中となっているのが実情。そうした時代変化により、以前のように「木工作業そのものを楽しむ」ことの利益は、現代には高尚すぎて理解され難いため、より手軽に「作ること」と「作品を得ること」双方の楽しむには、前述の前者タイプがお勧めとなる。「精神的な達成感」は、同時にその成長を助け、「物質的な満足感」は、精神的成長を終息させる。とは言え、「欲しいものはいくらでもある」というのが、物質欲で生き長らえる、現代人の構造的欠陥でもある。そうした意味で、「木工」は良薬と言える。
■ネジ釘の使い分け 2004.6.2 (第170回)
木工作品の組み立てには「ネジ」や「釘」を使用する。以前にも解説したが、その選択については、作品サイズや実用家具等での使用頻度、必要強度等が関係する。ネジを使用する方が、基本的に接合強度は高く、特に「反り」や「変形」の多い無垢材の場合は、接合時における、その矯正作用の面からも、ネジ接合での意味は大きい。さほど強度や実用性のない、小物家具や雑貨等については、「釘」を使った接合でよく、逆に「ネジ」を使用した場合の「ダボ仕上」などの面倒もなく、見た目にもシンプルで、うるさくない仕上がりとなる。オールド系の物にいたっては、ネジ仕様の作品よりも、「つぶし釘」を使用していたりなど、時代を感じさせる味のある作品が好まれる。そうした観点から、作品の組み立てに、「ネジ」を使用するか、「釘」を使用するかの選択を考える場合のアドバイスとして、「ひとつの作品で、両方を使い分けること」を推奨したい。つまり、作品を組み立てる際において、必ずしも、「ネジ」「釘」のどちらかのみで仕上げなければならないということはない。例えば、ダボ仕上げのない、シンプルな釘仕上げで作品を作りたい場合には、「見える部分」としての「正面材」は釘を使用し、それ以外はネジを使用する。また逆に、強度や反り矯正が必要な大型作品の場合でも、釘打ちで済ませられる細工部分も多い。当店作品においても、一見して釘仕上げのシンプルな作品でも、底板の裏側や背面などの見えにくい部分にはネジを使用しているものが多い。「ネジ」の利点は、組み立て時における、反り矯正や強度保持の即効性があり、「釘」の利点は、材表面の美しさを損なわず、手軽な作業で仕上げられるということがある。その双方の利点を生かし、ひとつの作品を仕上げる工夫も大切。どちらか一方にこだわる必要はまったくないという訳だ。